住宅ローンの返済期間は最大で35年。
なるべくローンの負担を軽くして、家計をやりくりするにはどうすれば良いのでしょうか。
そこで、ローンの利息に注目してください。金融機関から35年で3,000万円を借り入れるとして、利息分を含む総返済額は4,850万円です(全期間固定金利3.0%、元利均等返済方式、ボーナス返済なしの場合)。これだけでも、返済額に占める利息の割合がいかに大きいかお分かりになるかと思います。
つまり、住宅ローンの負担を軽くするには、いかに利息を減らすかがポイントなのです。
利息を減らすコツは、大きく分けて
@金利を低く
A借入れ額を少なく
B返済期間を短く
以上の3つです。
@金利を低く
ご存じのように、金利が低ければ低いほどローンの返済額は少なくなります。
下の表は3,000万円を借入れた場合の金利と毎月返済額、総返済額の違いをまとめたものですが、35年かけて返す場合でも、金利3.0%では総返済額4,850万円、金利1.0%では3,557万円と、1,293万円の差があります。
低金利が続く現在は、金利1〜2%前後の住宅ローンを取り扱っている金融機関もあります。ぜひ、いろいろな情報を集めて少しでも金利の低い住宅ローンを見つけましょう。
■金利と総返済額について
※借入れ金3,000万円、全期間固定金利、元利均等返済方式、ボーナス返済なし、35年返済の場合。諸費用は含まず。
借入れ額 | 返済期間 | 金利 | 毎月返済額 | 総返済額 |
---|---|---|---|---|
3,000万円 | 35年 | 3.0% | 11.6万円 | 4,850万円 |
2.5% | 10.8万円 | 4,505万円 | ||
2.0% | 10万円 | 4,174万円 | ||
1.5% | 9.2万円 | 3,858万円 | ||
1.0% | 8.5万円 | 3,557万円 |
※住宅金融支援機構「フラット35」住宅ローンシミュレーションで試算
A借入れ額を少なく
物件を購入する時に、初めに支払う頭金(自己資金)。この頭金が多いと物件価格に占めるローンの借入れ額の割合が少なくなり、利息を抑えることができます。
下の表を見てみましょう。物件価格が3,000万円として、頭金0円の場合は全額住宅ローンでまかなうことになるため、総返済額は4,850万円です。頭金100万円なら総返済額は4,688万円、頭金200万円なら4,526万円……と、頭金が多くなるほど利息分がお得になります。さらに、金融機関によっては一定額以上の頭金があると金利が低くなるプランもあります。
■頭金と総返済額について
※全期間固定金利3.0%、元利均等返済方式、ボーナス返済なし、35年返済の場合。諸費用は含まず。
頭金 | 借入れ額 | 毎月返済額 | 総返済額 |
---|---|---|---|
0円 | 3,000万円 | 11.6万円 | 4,850万円 |
100万円 | 2,900万円 | 11.2万円 | 4,688万円 |
200万円 | 2,800万円 | 10.8万円 | 4,526万円 |
300万円 | 2,700万円 | 10.4万円 | 4,365万円 |
400万円 | 2,600万円 | 10.1万円 | 4,203万円 |
500万円 | 2,500万円 | 9.7万円 | 4,041万円 |
※住宅金融支援機構「フラット35」住宅ローンシミュレーションで試算
B返済期間を短く
返済期間を短くすると、どうしても毎月返済額は多くなります。けれども払う利息が少なくなる分、トータルの返済額は少なくなるのでお得です。
下の表を見ると、同じ3,000万円を借り入れたのでも、35年返済なら総返済額は4,850万円ですが、30年返済では4,554万円ということが分かります。その差額は296万円もあるのですから、5年分の利息は軽視できません。
年収や家族構成、生活プランなどにより、毎月必要なお金は人それぞれですが、住宅ローンの負担を少しでも減らすためには、返済期間を短くして利息を少なくする方法も検討してみましょう。このほかにもボーナスや退職金で繰上返済をして返済期間を短くすることも可能です。
■返済期間と総返済額について
※借入れ金3,000万円、全期間固定金利3.0%、元利均等返済方式、ボーナス返済なしの場合。諸費用は含まず。
返済期間 | 毎月返済額 | 総返済額 |
---|---|---|
35年 | 11.6万円 | 4,850万円 |
30年 | 12.7万円 | 4,554万円 |
25年 | 14.3万円 | 4,268万円 |
※住宅金融支援機構「フラット35」住宅ローンシミュレーションで試算